面談中は必死にメモを取っているのに、いざ推薦文を書こうとすると「あれ、年収いくらって言ってたっけ」となる。メモはあるのに、あとで使えない。人材紹介の現場でよく聞く悩みです。原因は記憶力ではなく、面談メモのフォーマットが決まっていないことにあります。
「書いたのに使えないメモ」はなぜ生まれるのか
面談メモが役に立たない理由は、書く量ではなく構造にあります。
会話の流れのまま時系列で書かれたメモは、書いた本人がその日のうちに読む分には機能します。しかし1週間後の自分や、別の担当者にとっては「どこに何が書いてあるか分からない文章」になります。担当者ごとにメモの取り方が違えば、候補者情報を後から比較することもできません。担当者が休んだ瞬間に案件が止まる、いわゆる属人化はここから始まります。
メモの価値は「書いた量」ではなく「あとで取り出せる形になっているか」で決まります。
使えるメモの5項目——これだけ揃えば後工程が回る
面談メモのフォーマットは、凝ったものにする必要はありません。次の5項目が固定されていれば十分です。
(1)転職理由(なぜ動くのか)。(2)希望条件——年収・勤務地・働き方を分けて書く。(3)スキルと根拠——「営業が得意」ではなく「ルート営業5年、担当12社」のように事実で書く。(4)懸念点——伝え方に注意が要る事情や、ミスマッチの可能性。(5)次回アクション——誰が・いつまでに・何をするか。
この5つは、面談後に発生する仕事のほぼすべての材料になります。推薦文は(1)〜(4)から書けますし、候補者フォローは(5)から漏れなく回せます。候補者管理ツール(ATS)への入力も、項目が対応していればほぼ転記だけです。逆に言うと、この5つが取れていないメモは、どれだけ長くても後工程で使えません。
フォーマットを決めても「転記する時間」が残る
ここまでで品質の問題は解決しますが、もう1つの問題が残ります。書き写す時間です。
手元の走り書きをフォーマットに清書し、管理ツールに入力し、次回アクションを登録する——この一連の作業に、1件あたり30分以上かかっている会社は珍しくありません。面談が月30件あれば、それだけで月15時間です。だから「フォーマットは決めたけど、忙しい週は結局書けていない」ということが起きます。
最近は、面談の録画や書き起こしテキストから、この5項目に自動で整理する方法もあります。録画を所定のフォルダに置くだけでメモの構造化と管理ツール用のテキスト作成まで終わる仕組みを、今使っているツールのまま作る支援も行っています。自社の場合どの業務から仕組み化すると効果が出やすいかは、2分でできる無料診断で確認できます。
まとめ
面談メモは、面談後のすべての業務の起点になるデータです。まず5項目のフォーマットを決めて全員で揃えること。それだけで推薦文・フォロー・管理ツール入力の速度と品質が変わります。そのうえで、転記や清書に時間が取られているなら、書き起こしからの自動整理を検討する。この順番で進めるのが現実的だと思います。
よくある質問
Q: 面談メモは面談中に取るべきですか、面談後にまとめるべきですか?
面談中は要点の走り書きに留め、面談直後の15〜30分でフォーマットに整理するのが理想です。時間が経つほど記憶の細部が抜けるため、「面談直後に整理する時間まで含めて面談の予定」として組むのがおすすめです。
Q: オンライン面談の録画をメモ代わりにするのはありですか?
録画だけでは「あとで見返す」ことがほぼ起きないため、メモの代わりにはなりません。ただし録画や自動書き起こしを元データにして、要点をフォーマットに整理する運用は非常に有効です。候補者には録画の目的を伝えて同意を取っておきましょう。
Q: フォーマットを変えると、過去のメモとの整合が取れなくなりませんか?
過去分を遡って直す必要はありません。「今日以降の面談から新フォーマット」で切り替えれば十分です。数ヶ月もすれば現役の候補者データはほぼ新フォーマットに置き換わります。