推薦文の出来は担当者次第——多くの人材紹介会社で、実はこれが普通の状態ではないでしょうか。ベテランが書けば通るのに、若手が書くと同じ候補者でも書類で落ちる。候補者の力ではなく、推薦文の書き方で結果が変わっているとしたら、もったいない話です。
推薦文が「人依存」になっている会社は多い
推薦文の書き方が個人に委ねられていると、2つの問題が起きやすくなります。
1つ目は品質のばらつきです。何をどこまで書くかが人によって違うので、書類通過率も人によって差が出ます。2つ目は条件のズレです。厚生労働省の調査では、求職者の31.7%が「募集条件と実際の就業条件が違った」と答えています。推薦文に確認済みの条件が構造的に入っていないと、このズレは推薦の段階ですり抜けてしまいます。
推薦文の品質差は、担当者のセンスの差ではなく「型があるかどうか」の差であることが多いです。
企業が知りたい順に書く——4ブロックの型
推薦文テンプレートの基本形は「要件への適合 → 根拠 → 懸念点 → 条件面の補足」の4ブロックです。
ポイントは、企業の採用担当が知りたい順に並べることです。まず「必須条件を満たしているか」。次に「その根拠は何か」。そして意外に重要なのが「懸念点を先に開示する」ことです。懸念を隠した推薦は、面接や入社後にズレとして表面化します。先に書いてある推薦文は、企業からの信頼が積み上がりやすく、結果として次の推薦も通りやすくなります。
最後の補足ブロックには、希望年収・入社可能時期・他社選考状況など、確認済みの条件を定型で入れます。ここを型に含めておくと、条件のズレを推薦前に検知する網になります。
候補者のタイプ別(標準・若手ポテンシャル・管理職・未経験・急募用の短文)に分けたテンプレート5種は、こちらのページで全文無料公開しています。コピペしてそのまま使えます。
型を作った後の課題は「書く時間」
型を固定すると品質は安定しますが、次のボトルネックは時間です。推薦文を含む面談後のアウトプットは1件あたり45〜60分かかる場面もあり、面談が続く日は書く時間そのものが取れません。「型は決めたのに、結局あとまわしになる」という状態です。
ここから先は、仕組みの出番だと考えています。面談メモを投稿すると型に沿った推薦文のドラフトが自動で返ってくる状態を作れば、人がやるのは最終確認と微調整だけになります。実際に、こうした仕組みを今使っているツール(Slackやスプレッドシート)のまま作る支援も行っています。
まとめ
推薦文は、候補者の魅力を伝える文章であると同時に、条件のズレを防ぐ品質管理の道具でもあります。まず4ブロックの型を決めて全員で使うこと。テンプレートはゼロから作らず、公開されているものを自社用に直すのが早道です。型が回り始めたら、「書く時間」を仕組みで短縮することを考える——この順番が現実的だと思います。
よくある質問
Q: 推薦文はどのくらいの長さが適切ですか?
A4半分〜1枚程度(400〜800字)が目安です。長いほど丁寧に見えますが、採用担当は複数の推薦を並行して読むため、要点が先頭に来ている短めの文章のほうが通過判断は速くなります。急募案件では箇条書きの短文型も有効です。
Q: 懸念点を書くと、書類で落ちやすくなりませんか?
短期的には落ちるケースもありますが、それは面接や入社後に発覚するはずだったミスマッチが早く見えただけ、とも言えます。懸念と一緒に「対処可能と判断する理由」を添えれば、むしろ通過率と入社後の定着率の両方に良い影響が出やすいです。
Q: テンプレートを導入しても、担当者が使ってくれるか不安です。
書式を配るだけだと形骸化しやすいです。「面談メモから推薦文の下書きが自動で出てくる」ところまで仕組み化すると、使うほうが楽になるので定着します。楽だから続く、という設計にすることが重要です。